肩の痛みの筋肉(腱板炎) ①棘上筋
肩の関節の痛みで特に多いのがこの棘上筋です。棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の肩関節に付着する部分を腱板と言い、この腱板部の損傷を腱板損傷・腱板炎と言います。
肩を上げた時には絵で分かるように骨の下にもぐりこんだ部分で押しつぶされて痛みが発生します。肩の上げ下げが続く作業や、鉄棒などにぶら下がって負荷をかけた場合、手を着いて転倒した場合などに損傷します。
ひどい場合は肩を上げることができなくなるため、五十肩と混同されやすいですが、五十肩は自分の力では上がらないことはもちろん、力を抜いた状態で人の力で上げようとしても上がりませんが、腱板損傷の場合は力を抜いた状態で人の力で上げると、痛いながらも上がります。
施術(治療)方法は初期の炎症症状が起こっているときにはテーピング等を用いて安静を図り、炎症が治まれば直ちに運動療法を始めます。ここのタイミングを誤ると腱板の拘縮が始まって肩が上がらなくなってしまいます。炎症の分かりやすい目安は夜間時痛です。寝ているときに動かしていないのに疼くようでしたら炎症期間中です。このときはできるだけ動かさないようにして、腕を体に沿わせてセルフ三角巾をして下さい。
炎症が治まればアイロン体操です。昔は持てるそこそこ重いものと言えばアイロンだったのでしょうが、今は水を入れたペットボトルや鉄アレイでも構いません。そこそこ重いものを持って前後に、左右に振り子運動で動かしてください。あまり痛い程はやらない方がいいです。
院長